睡眠不足はが健康に悪いというのは、なんとなく知っているでしょう。

では、具体的に睡眠時間を削るとどんなことが起きるのでしょうか。睡眠不足のデメリットは、大きく以下の4つです。

病気になる、寿命が縮む

仕事のパフォーマンスが著しく低下する

太る

認知症になる

まずは、「①病気になる、寿命が縮む」について、睡眠不足によって病気リスクがどれだけ高まるか紹介します。

 

研究によって数字に幅はありますが、睡眠時間6時間以下の人は、そうでない人に比べて、がんが6倍、脳卒中4倍、心筋梗塞3倍、糖尿病3倍、高血圧2倍、風邪5.2倍、認知症5倍、うつ病5.8倍、自殺4.3倍です。ある研究では、死亡率が5.6倍ともいいます。

 

例えば、「がんのリスク6倍」というのが、どれほどのことなのか。日本人の2人にひとりががんになり、3人にひとりががんで亡くなっています。それだけありふれた病気のリスクが6倍に高まるとは、驚くのではないでしょうか。

 

睡眠不足は、ほとんどすべての生活習慣病のリスクを高め、うつ病、認知症などのメンタル疾患のリスクを高めます。逆に、十分な睡眠をとることで、ほとんどすべての生活習慣病とメンタル疾患の予防につながるのです。

 

具体的には、睡眠時間を削ると「命の回数券」と呼ばれる「テロメア」が短くなります。テロメアは染色体の末端にあり、細胞分裂をするほどに短くなっていきますテロメアがなくなると、それ以上の細胞分裂ができない、つまり、テロメアは寿命と深い関係があります。

 

ノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士らの研究によると、睡眠時間5~6時間と高齢者のテロメアは短く、睡眠7時間の高齢者は一般的な中年のテロメアと同等かむしろ長いと報告しています。

 

テロメアと寿命は深い関係がありますので、「睡眠不足は」寿命を削り、「十分な睡眠」は寿命を延ばすと言えるのです。

 

睡眠不足による細胞や臓器へのダメージは少しずつ蓄積し、40代後半から、50歳過ぎて、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、がんなどの「生活習慣病」という形で、一気にあらわれます。

 

最悪、40代、50代で過労死、突然死で亡くなる危険性もあります。過労死のリスクは、睡眠不足と強い相関関係があるからです。

 

若いころにためた「睡眠負債」を、20年後に死神がとりたてに来るようなもの。そうならないために、今から「睡眠改善」に取り組んでほしいのです。